こんにちは ポンです。
ADR銘柄紹介第5弾まできました!!
今回は公益事業であるナショナル・グリッドを分析いたしました。
電力・ガスの供給事業者なので安定したビジネスモデルが評価されている企業です。
売上や配当金等細かな部分を調べていきたいと思います。
Contents
目次
【NGG】基本情報
社名 | ナショナル・グリッド |
ティッカー | NGG |
設立年月日 | 1990年 |
セクター | 公益事業 |
配当利回り | 3.78% ※2021/2/18時点 |
会社概要
ナショナル・グリッド(NGG)はイギリス・ロンドンに本社を持つ電力・ガスの供給会社です。
元々イギリスの電力事業は国有化されてましたが、1990年に3社の発電会社、1社の送電会社に分割し、民営化されることとなり、その中の一つの企業としてナショナルグリッドが誕生しました。
事業拡大の為、米国やイギリスの同業他社のM&Aを積極的に行い、英国だけでなく米国でも事業を展開しております。
売上で比較してみると実は英国よりも米国の方が売上比率は高くなっています。
最近では労働党がNGGを国有化しようとしている過去もありその影響で株価の下落も経験しています。
⇒結果として英国総選挙で労働党が敗戦し保守党が勝利したため国有化リスクはなくなり株価は回復へと向かっています。
ブクレジットや国有化リスクなど事業以外のところで不安視される特徴のある銘柄です。
事業内容
英国事業
送電、ガス輸送、電気システムのオペレーターをイギリス国内の事業として展開してます。
地下埋設合計で9,000㎞以上の送電網と7,000㎞以上のカスパイプラインを保有しているので
ほぼイギリス国内の送電事業は独占しているといっても過言ではないでしょう。
発電を行っていない為発電所を持ちません。
火力、原子力発電の環境汚染・設備リスクの懸念が少なく、他の発電会社よりも安定しています。
2016年にはガス事業の持分61%を売却しております。
米国事業 ガス・電力事業
主に6つの州で電気とガスの供給を行っています。
売上の6割程度がこの米国事業から成り立っているので会社の柱となっています。
アメリカの人口は継続的に増加しており、電気ガスの使用量も増えていく予想も出ているので
需要が見込める状況です。
競合他社の存在も無視できませんが米国での事業拡大が進めば将来的にも希望が持てるでしょう。
NGGベンチャーズ
再生可能エネルギー事業です。
現在では海中電力相互接続、液化天然ガス、バッテリー貯蔵、風力、太陽光発電等を手掛けております。
今後注目されていく分野となっているので今後の成長に期待したいところです。
売上・利益等
2017年に純利益が増えてるのは2016年のガス事業売却が影響しているためです。
その影響で2017年以降の売上、営業利益も減少しております。
公益事業としては非常に高い営業利益率を誇っており、効率的な運営が出来ていると言えます。
日本の企業での営業利益率は10%を超える企業はありませんが
NGGはなんと営業利益率が20%を超えています。
同じ売上でも利益が倍違ってくると投資妙味があると言えますね。
キャッシュフロー
ここ最近のフリーCFが減少している点は気になりますが
その他は安定してキャッシュを稼いでくれています。
公益事業なので収益の安定さは安心できる部分ですね。
営業CFマージンは30%以上を維持しており、非常に優秀です。
一方で送電網やパイプラインの維持や設備投資に投資CFが大きくかかってきます。
他の公益事業では投資CFの影響でフリーCFがマイナスになる企業を見かけますが
NGGはかろうじてプラスを維持している部分はプラスです。
しかしここ最近では更に投資CFがかかってきている点は注意しておきたいところです。
配当と増配率
表記はポンドベースとなっています。
連続増配ではありませんが、配当は少しづつ増配している様子。
配当利回りも3.78%ともう少し欲しいところではありますが、平均よりは高く
配当投資向きであると言えます。
株価チャートの分析
コロナの影響を受けて株価は下がっています。
長期的な視点でみると買い増しのタイミングになると考えられます。
過去10年でのチャートを見てみると40~80ドルの間で推移しています。
一方、事業のスタイルとしても大きな売上成長は見込めないので株価が大きく成長することもないです。
景気悪化のタイミングで仕込むのであれば選択肢の一つとして入れておくのはアリですね。
S&P500とのチャート比較
S&P500と比較してみるとリターンは大きく下回ってしまいます。
公益事業の銘柄はディフェンシブ銘柄なので値上がり益を求めるよりも安定した株価推移と配当金を求めていくスタンスで保有すると良いでしょう。
株価も40~80ドルの間を推移している為、株価50ドルを切ったら購入していく方が利益を狙えそうですね。
【NGG】まとめ
いかがでしたでしょうか。
ビジネスモデルや企業の収益体制は問題ないと言えますが
企業の成長力に関しては懸念点がいくつかあります。
長期のディフェンシブ銘柄としては候補の一つとしてあげたい銘柄ですね。
リスクを把握した上で投資をしていきましょう。
投資をするうえで参考になれば幸いです。