今回はジョンソン・エンド・ジョンソンの銘柄分析です!!
ヘルスケアセクターで安定した印象のある銘柄ですが
事業や株価、今後の展開も含めて深掘りしていきます。
Contents
JNJの基本情報
社名 | Johnson & Johnson |
ティッカー | JNJ |
設立年月日 | 1887年11月 |
セクター | ヘルスケア |
株価 | $149.18(2020/09/18時点) |
PBR | 6.6倍 |
1株配当 | $3.75 |
配当利回り | 2.51% |
5年平均増配率 | 6.3% |
連続増配年数 | 58年 |
S&P格付け | AAA |
◆事業内容
世界最大のヘルスケア企業で創業者はロバート・ウッド、ジェームス・ウッド、エドワード・ウッドのジョンソン3兄弟。
世界60ヵ国、250以上のグループ企業を有しており、消費者向け製品や医療機器、医薬品を開発~製造を行っています。
研究・開発費は総売上の1割以上使い常に魅力的な新商品を生み出しています。
その結果として新製品の定義で『過去5年に市場にでた製品』としていますが
その新製品が占める割合が総売上の約25%にもなっているのです。
代表的なブランドとしてバンドエイド・リステリン・アキュビュー等
馴染みのあるブランドで長い間、多くの世代から愛されています。
我が信条(Our Credo)の考えが経営の中心にある
JNJの経営判断の基準ともいえる『我が信条』ですが簡単に言うと責任を負う優先順位を取り決めています。
我が信条
- 顧客・患者
- 社員
- 地域社会
- 株主(株主の優先順位低いですね。。。)
企業理念はただ掲げている会社が多い中、JNJはCEOが『我が信条こそが一番大切なもの』と言い続けています。
世界規模の会社でも大きく成長し続ける事が出来るのもしっかりとした理念や考えを突き通してるからかもしれません。
S&P格付けはなんとAAA
S&Pが企業の返済能力に関して格付けしています。
JNJの評価は最高ランクの【AAA】を獲得しております。
AAAの定義
債務を返済する能力は極めて高い。最高ランク。
因みに米国の企業でAAAの評価をもらっているのはJNJとマイクロソフト(MSFT)の2社だけです。
財務基盤がしっかりしており、投資する側としても安心して投資出来ますね。
タイレノール毒物の混入による事件
1982年にタイレノール(頭痛薬)に毒物が混入し7名が死亡してしまう事件が起こりました。
JNJは全てのタイレノールを回収し混入できないように改良しました。
この時に書かた費用は約1億ドルともいわれています。
この時の対応は称賛され、JNJは費用よりも正しい対応を自発的に行う企業として良いイメージを作ることに成功しました。
今でも危機管理の対応方法の見本として取り上げられることがあります。
製品へのアスベストの混入
2018年12月に販売したベビーパウダーの原料に微量のアスベストが検出され、販売した商品の回収を行っています。
そして過去分の販売にも混入の懸念があるとして、約15000件の訴訟に直面しています。
収益のメインは医薬品や医療機器でベビーパウダーの比率は低いのですが
訴訟による賠償金の支払いによる損失は否めません。
製薬会社としても避けても通れない問題となっています。
◆事業セグメント別売上(2019年度)
事業は大きく分けて3つです。
主要事業
- 消費者向け製品
スキンヘルス製品
セルフケア製品
エッセンシャルヘルス製品 - 医療機器
外科手術関連製品
整形外科用医療機器
コンタクトレンズ - 医薬品
免疫学、心血管疾患および代謝疾患、肺高血圧症
感染症およびワクチン、神経科学、腫瘍学
JNJのイメージとしてバンドエイドやリステリンといった消費者向け製品は2割弱で最も少ないです。
その中でも医薬品部門が好調で約半分の割合を占めています。
医薬品は医療用や一般向けでの販売もあり大きな売上を上げる事ができる点は利点ですね。
医薬品事業の弱点として新薬の開発をしても特許が切れるとジェネリック薬品との価格競争となってしまう為
利益の確保が難しくなってしまいます。
その為新薬開発やM&Aといった継続的な企業努力が必要な点は否めません。
ただ売上規模に関しては世界でTOP10に入る程の売上高を誇ります。
総合的に考えると非常に安定感があります。
◆売上・利益・営業利益率は?
売上は安定して増加している。
営業利益率も25%程度で経営効率が高い点も優秀である。
36年連続で調整後営業利益が増加している点は世界規模の企業で達成できる事が非常に素晴らしい。
コロナや不況の影響に左右されないビジネスモデルの為今後も安定した利益を創出してくれるであろう。
◆キャッシュフロー
ブランドを強めていく為の研究開発費を捻出しているにも関わらず安定したキャッシュフローですね。
年々増加している点では業績も財務も健全と言えます。
◆配当と増配率
配当自体は58年連続で増配しています。
現在の配当利回りも2.5%以上でそこそこ高いです。
増配率は過去5年で6.3%
過去10年で6.9%と安定しています。
配当はここ10年間で約1.8倍にも増えています。
配当金を再投資するだけでもかなりのリターンが期待できます。
◆株価チャートの分析
株価は5年間で約1.6倍、10年間で2.4倍の株価成長です。
ヘルスケアの銘柄はリスクが少なく、リターンも期待できるので非常に優れたセクターですね。
◆株価比較(S&P500)
S&P500が5年間で約1.7倍、JNJは約1.6倍と大きな差はありません。
配当を再投資に回していけば更なるリターンが見込める為S&P500をアウトパフォーム出来るかもしれませんね。
◆競合他社は?
医薬品部門として競合として比較されるのは以下の企業です。
競合
- ファイザー(PFE)
- メルク(MRK)
- アッヴィ(ABBV)
JNJは米国内の売上でいうとファイザー、メルクに次ぐ3位の売上を誇っています。
◆株価比較(競合との比較)
出典:tradingview
青:JNJ オレンジ:PFE 赤:MRK 緑:ABBV
5年の チャートで比較してみるとMRK以外はほぼ同じ値上がり率ですね。
20年以上の長期で見るとJNJが一番成長しているのですが、成長の限界も感じます。
まとめ
ヘルスケアのセクターはビジネスモデルとして安定感があり、その中でもJNJはおすすめ出来る銘柄です。
長期投資、ディフェンシブ、連続増配銘柄でもある非常に優れた企業であることがわかりましたね。
コロナの影響も限定的で株価が停滞していますがまた最高値を更新していくのはそう遠くはないでしょう。
ポートフォリオの一つに加えてもいいと思える銘柄です。
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